2013年10月26日土曜日

ホブドボルト(Hobbed bolt)を自作してみた(その2)

先ほどの記事でホブドボルトを自作した件について書きましたが、ホブ部直径が6.5ミリだと、今ある状態がいいものよりも劣った結果にしかならないのではないかと考え、もう一本作っちゃいました。2本目は感覚もつかめているので早いし、綺麗に仕上がりました。ホブ部直径は6.1ミリです。これ以上削っちゃうとエクストルーダー本体を作り直さないとフィラメントがちゃんと引っかからないのではないかと考えたのでこの太さに仕上げました。さて、結果ですが…

ホブドボルト(Hobbed bolt)を自作してみた

ホブドボルトはPrintrbotについてきたものととある個人業者(Ja**caという業者)から入手したものの2つ持っています。どちらも普通に使う分には使えるのですが、3mm ABSを0.4mmノズルで印刷するときに最大印刷速度が違っています。Printrbotのほうはレイヤー0.2mmだと40mm/sを超えるとフィラメント吐出が追いつきません。J*pi**の方は60mm/sにもギリギリ耐える感じ)。エクストルーダー本体は完全に同じなのでホブドボルトに違いがあるのではないかと考えました。

色々と比較した結果、大きな違いは2点。ホブ部分の直径がPrintbot製は6.8ミリ、J*****の方は6.3ミリです。また、PrintrbotはおそらくM4のタップを使用しているのに対し、J*****の方はインチネジのタップを使っているようでピッチが広いです。
このホブ部分の直径がモーターのトルクと関係してくるのではないかという仮説を立ててみました。市販のホブドボルトはホブ部直径が書いてあるものがあまりなく、検証がしづらいので自作してみることにしました。
材料のM8六角ボルトの半ねじのものは50mmが入手できず60mm、しかもステンレス製しか見つかりませんでした。仕方がないのでこちらを使うことに。全ねじのものなら結構ありますが、Reprapのwikiによるとネジ部にホブを切るとフィラメントに元からあったねじによる力が加わってねじれるそうです。半ねじのねじではない部分を使いましょう。

ホブの作成はHobbing Thing Improvedを使うことにしました。ベアリングは手元に625がなく624しかなかったのですが、ソースファイルに624用の設定が付いていたのでこちらを使用。ところが、624にはM4タップが入らない!!!作業を始める前に確認すべきでした。M4タップが直径4mmだからピッタリ入ると思い込んでましたが微妙に入りません。タップもベアリングも傷つけたくないので断念。

次にこちらの動画を発見。かなり荒っぽいですが、これなら608ベアリング二つでいけます。608は山のように余っています。グラインダーがないのでボール盤に咥えたボルトに丸棒やすりで溝を削り、最後にM4タップでホブを切りました。ボルトがタップの回転の力で持って行かれそうになりましたが、頑張って支えました。

完成したのがこちら。

上からprintrbot、J*****、自作になります。自作の物はボブ部直径が6.5mmと元からあった2つの中間に仕上がりました。これから印刷テストです。


2013年10月23日水曜日

Titanium BakcupがAndroid 4.3でエラーで止まる件(2013/10/26追記)

超久々のNexus7ネタ。タイトルのままなんですがParanoid androidを4.3ベースにアップデートしたらTitanium Backupが動かなくなっちゃって色々と困ったことに。当時は直し方が分からず、古いバックアップのリストアは諦めました。ところが新しいバックアップも「容量不足」という謎のエラーで作ることができませんでした。結局しばらく放置してたわけですが、調べてみたら意外と簡単に直せたので書いておきます。

Titanium backup起動、右上の「メニュー」から「環境設定」を選択。「バックアップの設定」のところに「バックアップフォルダ」があるのでこれを選択。おそらくフォルダが

/storage/emulated/0/TitaniumBackup

になっています。これがエラーの原因なので、OSの戻るボタンを押して/フォルダまで戻り、

/sdcard/TitaniumBackup

を選択。これでバックアップができるようになりました。私は古いバックアップを削除してしまったので、これで以前のバックアップがリストアできるようになるのかわかりません。どなたか試してみた方がいらっしゃったら教えてください。

2013/10/26追記
この投稿の翌日にTitanium backupがアップデートされてsuper userコマンドに問題があるというメッセージが表示されるようになりました。Super SUのバイナリを更新したらあっさり解決。Paranoid androidはROMにSuper SUが統合されているのでParanoid androidを最新版にしてれば解決していた可能性があります。でもアップデートのためにTitanium backupでバックアップを取りたかったので…
結局Super SUをPlayストアからインストールするとバイナリの更新をするか聞いてくるのでバイナリの更新を実行して問題解決しました。

2013年10月20日日曜日

Bowdenタイプのエクストルーダー設定(その2)

色々と試行錯誤の結果、この間の条件は3mm ABSには使えないことが分かった。

変更点だけ赤字で示す。

Printer Settingsタブ、Extruderの項目
Retraction
Length: 2 mm (Bowdenは長めとのことだが前回の5mmは長すぎた)
Speed: 10 mm/s (樹脂の送り出しの抵抗が高いのでゆっくりじゃないと耐えられない)
Extra length before restart: 0 mm(遅くしたので必要なくなった?)
Minimum travel after retraction: 2 mm (デフォルト、小さすぎるとリトラクションしまくる)
Retract on layer change: off (リトラクションが綺麗に出来てるならonでいいのか?)
Wipe before retract: on (新機能、bowden用に作ったらしいのでonにするのが吉)

Layers and perimetersの項目
Avoid crossing perimeters: on (Retract on layer changeをoffにしてないと有難味が薄れた)

Print Settingsタブ、infillの項目
Only retract when crossing perimeters: on (Avoid crossing perimetersをonにしてないと糸引き沢山)

どうやらABSがPLAよりも固く、吐出に必要な力が強いこと、吐出される樹脂の速度も遅いことが関係しているようで、ノズル径を大きく、温度を高めに設定すると成功率が上がる。現在250℃、樹脂の色がやや変色する、PEEKの耐熱温度を微妙に超えている等々、あまり人様に推奨できる条件ではないのだが、reprapで有名な某氏もJ-Headでこの温度で問題ないと言っているのでしばらくこの温度で行く。

2013年10月13日日曜日

Bowdenタイプのエクストルーダー設定

Mendelmaxがほぼ完成してから次の3Dプリンタを作ろうと色々と画策してきましたがうまくいっていません。ハードウェア的な設計が不十分だったり、Mendelmaxよりも剛性が低いせいで遅かったり・・・。それ以外にも実は共通点があって、それがBowdenタイプのエクストルーダーです。

Bowdenにするとエクストルーダーをキャリッジ以外に固定できるので軽くなり、印刷の高速化には必須です。またdeltaタイプのプリンタでは重いキャリッジは無理っぽいのでほぼ必須。
ただ、欠点もあってフィラメントが細くて長い管の中を通ってからエクストルーダーに入るのですがその分コントロールが難しい。具体的にはリトラクションの設定が今までとはちょっと違う。

普通のエクストルーダーのSlic3r設定(詳細はSlic3rのマニュアル参照)
Printer Settingsタブ、Extruderの項目
Retraction
Length: 0.5 mm (エクストルーダー、ノズルで異なるらしい)
Speed: 30 mm/s (デフォルト)
Extra length before restart: 0 mm(デフォルト、小さい方がいい)
Minimum travel after retraction: 2 mm (デフォルト、小さすぎるとリトラクションしまくる)
Retract on layer change: on (デフォルト、マニュアルでonを推奨
Wipe before retract: off (デフォルト)

Layers and perimetersの項目
Avoid crossing perimeters: off (onにするとGコード生成、印刷が遅くなる)

Print Settingsタブ、infillの項目
Only retract when crossing perimeters: off (onにすると回数が減るが糸引き増える)

Bowdenタイプの場合(Slic3rのTips頁参照)
Printer Settingsタブ、Extruderの項目
Retraction
Length: 5 mm (Bowdenは長め)
Speed: 30 mm/s (デフォルト)
Extra length before restart: 0.5 mm(0だとフィラメント送り不良だった)
Minimum travel after retraction: 2 mm (デフォルト、小さすぎるとリトラクションしまくる)
Retract on layer change: off (リトラクションが綺麗に出来てるならonでいいのか?)
Wipe before retract: on (新機能、bowden用に作ったらしいのでonにするのが吉)

Layers and perimetersの項目
Avoid crossing perimeters: on (Retract on layer changeをoffにしてないと有難味が薄れた)

Print Settingsタブ、infillの項目
Only retract when crossing perimeters: on (Avoid crossing perimetersをonにしてないと糸引き沢山)

一個一個のオプションだけ見てると意味が良くわからなかったが、組み合わせると意外と有効な気がする。今までのエクストルーダー設定もこっちに変えた方がいいかも。

2013年10月12日土曜日

Mendelmaxキャリブレーションのメモ

これまでそこそこの印刷品質(レイヤー厚0.2mm)で妥協してましたが、もう少し向上させたくなり、キャリブレーション見直し中。

X,Y,Z軸の直交:非常に調整しにくい構造をしている。今後の課題。

ベッド水平:ベッドの端から端までの高さの違いが印刷する厚さよりも小さくなるように調整する。ダイヤルゲージがあった方がいい。アルミ板、PCBベッドは凹凸が意外と大きいのでガラス板推奨。固定法によっては強く固定しすぎてガラスが歪んでいることがあるので注意。

X, Y steps/mm:モーター1回転あたりのステップ数、ベルトピッチ、プーリーの歯数から計算される値そのままにする。これで大幅にずれるならねじやベルトの緩みをチェック。

Z steps/mm:モーター1回転あたりのステップ数、ねじのピッチから計算される値そのままにする。これで大幅にずれるならねじとモーターの接続をチェック
X,Y,Zモータードライバの最大電流が低すぎると正しく動かない。高くしすぎると発熱しすぎるので低目から試す。定格ピッタリは意外と熱い。

E steps/mm:モーター1回転あたりのステップ数、ボルトとフィラメントの接する部分の径、ギヤ比から計算可能だがボルトとフィラメントの接触部分の太さは正確には測れない。実際に送りだされるフィラメントの長さを測定して補正。

フィラメント太さ:デジタルノギスで測定。小数点以下1桁でいい。フィラメントの断面が楕円になっていることが多いので長軸、短軸測定して平均する。

extrusion multiplier:Slic3rのみ。フィラメント太さでは微調整の計算が大変なのでこちらで微調整。実際に印刷されるプラスチックの量で調整する。ロの字型の物を印刷し、外側と内側の大きさが指定したサイズになってるかで調整可能。内側が指定サイズよりも小さい時はこの値を1よりも小さくする。

Z軸ホームポジション:エクストルーダー、ベッドを実際に使用する温度に暖めてから調整。エクストルーダーとベッドの間に紙を挟み、0.2mmの高さにしたら引き抜けるように調整。実際に印刷してフィラメントがベッドにしっかりつくが押しつぶれ過ぎない高さに微調整する。

これでABSでレイヤー厚0.1mm, PLAなら0.05mmはOK。